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執筆者の写真Sewing Room CataCata

人生想定外の大手術


2023年が始まったばかりの1月11日に、下肢深部静脈瘤で受信したことをきっかけに、胸部大動脈解離が見つかりました。生命の危険があるので救急車に乗って心臓血管外科のある都内の大学病院に緊急搬送されました。 病院では診断が二転三転、手術は必要ないですよと言われた次の日に、大動脈瘤が見つかったのでやはり手術ですね、、、、となり、、、その後、トホホな私はしっぽ巻いて病院から逃げ出してしまいました。 このままだと死ぬのは明白だったので、セカンドオピニオンで前向きになろうと、杉並区の心臓外科専門のクリニックを受信しました。


(画像はサイトから拝借。)紹介状なしのセカンドオピニオンは難しいことでしたがここでは引き受けていただけました。 検査して自分の心臓から伸びている大動脈の3D画像を見ながら手術の説明を受けます。あらあら大動脈の弓状のところに瘤が出来て爆発しそうです。できればステントグラフトや小さい切開で済む手術で収まらないかと淡い期待を抱いていましたが、正中切開の大手術しか選択肢はありませんでした。しかも、私の大動脈は何百万人に一人というコメレル憩室を伴うものだったので手術をややこしくしていました。先生に命預けます。どうぞよろしくお願いします。 手術は説明を聞いていても自分が受けるとは信じがたい恐ろしさ。 のどの下から30センチほどまっすぐに切開します。 その下の肋骨(胸骨)を真ん中で真っ二つに切って左右にひらき、内臓を露出。 鎖骨の下を左右ともにザックリ切開して人工心肺装置に血管をつなぎ、心臓を止めます。(私死んでる)。 大動脈のあちこちを切って取り外し、人工血管に置き換えます。いらない動脈は縫合したり詰め物をしたり。 心臓の動きを再開してよい状態に戻すと、止まっていた心臓がトクッと動き出します。(なんて可愛い!)心臓が落ち着いたら人工心肺装置を取り外します。 そして胸骨を戻してチタンの針金で縛っていきます。 切開の後を縫合して手術は終わりました。 これらは全身麻酔下で行われるために何も感じないのですが、術後麻酔から覚めてからのせん妄や傷の痛みやつながれているチューブの苦痛やらが辛かったです。辛いけど生還した嬉しさがなんか支えになってたように思います。


(画像はサイトから拝借。)冗談みたいにブラックジャックが宣伝イメージのこのニューハートワタナベ国際病院。冷静に考えるとこんな難しい病気を扱う病院なのにブラックジャック推しが強すぎて、戸惑いも感じますが。先生のブラックジャックへの思い入れの強さは手塚治虫プロダクションも動かして、これらの宣材はすべて書下ろしというから驚きです。



(画像はサイトから拝借。)病室はすべてトイレ付個室。明るくて広く居心地のよいものでした。 大手術なのに術後三日後には集中治療室から歩いて個室へ移動しました。最近の術後リハビリの開始はほんと早いです。

(画像はサイトから拝借。) ここの病院食にはかなり気遣いがありました。食器は陶器、カトラリーもそろっています。味付けも美味しいのです。私は固形の肉が食べられないのですが、入院中の私の食事には一度も肉が出て来ず、偏食に対応していただきました。驚きです。 私の兄が大動脈解離で57歳で急逝しており、自分も何らかの血管の病気になる可能性は想像していたものの、この手術は想定外のものでした。 しかも、私のこの病気は35年前にすでに発症していたものだともわかりました。35年前に軽い大動脈解離で済んでいたから痛みだけで終わっていたのですが、ちょっと間違えば命を失っていたということです。背中の痛みは35年間、すこしづつあったので有名な循環器内科、有名な病院、毎年の検診での訴え、などなど長きにわたって受信してきましたが、35年間だれも私の大動脈解離を見つけていただけませんでした。 それほどに見つかりにくいものでもあるということです。 定期健診だけでは決して見つかりません。 CTを撮らないと見つかりません。 良い専門医の正しい見立てに遭遇しないと見つかりません。 そんなことを心の片隅に留めていただいて皆様が健康に毎日を送られますよう、願っております。





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